11月18日(土)に、東京都庭園美術館が再オープンしました。その再オープン後初となる展覧会「装飾は流転する 『今』と向きあう7つの方法」の開催にあわせ、同館ミュージアムショップにてノストスブックスの選書コーナーを作っていただけることになりました。
「装飾は流転する 『今』と向きあう7つの方法」について
展覧会のテーマは「装飾」。みなさんは、「装飾」と聞くとどんなものを思い浮かべますか?
私だったら、フリフリなレースとか、盛り髪とか……。よくよく考えてみると、それ自体は機能を持たないけれど、視覚として美的感覚を刺激するもの。
一方で、身に着ける者自身の意志や場を表現することも多くあります。成人式の衣裳だったり、祭典や儀式の伝統的な正装だったり、パンクスのファッションだったり。一見無駄なようで、コミュニケーションの一部として、実は重要な役割を担ってきたのです。
そんな身近な存在である装飾は、時代に寄り添い、変化を繰り返しながら現在まで生き残ってきました。それはまさに生々流転と言えるのではないでしょうか。
今回は、年齢も国籍もジャンルも多様な7組のアーティストたちが勢揃い。全く異なる時代や価値観を対峙させたり、実際には存在しない世界を思い描いたりすることで、日常生活の中の「装飾」を読み取ろうと試みています。
私だったら、フリフリなレースとか、盛り髪とか……。よくよく考えてみると、それ自体は機能を持たないけれど、視覚として美的感覚を刺激するもの。
一方で、身に着ける者自身の意志や場を表現することも多くあります。成人式の衣裳だったり、祭典や儀式の伝統的な正装だったり、パンクスのファッションだったり。一見無駄なようで、コミュニケーションの一部として、実は重要な役割を担ってきたのです。
そんな身近な存在である装飾は、時代に寄り添い、変化を繰り返しながら現在まで生き残ってきました。それはまさに生々流転と言えるのではないでしょうか。
今回は、年齢も国籍もジャンルも多様な7組のアーティストたちが勢揃い。全く異なる時代や価値観を対峙させたり、実際には存在しない世界を思い描いたりすることで、日常生活の中の「装飾」を読み取ろうと試みています。
出展作家
ヴィム・デルヴォワ(ベルギー、1965-)
消費社会を象徴する挑発的なプロジェクトで世界的に知られるデルヴォワは、既存の装飾様式を再構築した作品を数多く作っています。ゴシック建築のバラ窓やケルト文様が、まさかあんなものやこんなものになるなんて!山本麻紀子(日本、1979-)
フィールドワークやワークショップを通じて、参加型のプロジェクトを数多く手がけるアーティスト。本展では白金台を舞台に「窓」をテーマとしたプロジェクトを実施します。ニンケ・コスター(オランダ、1986-)
建築のディテールをシリコーンラバーでそのまま写しとり、家具や彫刻に生まれ変わらせるアーティスト。《時のエレメント》は異なる様式の装飾を写しとりスツールにしたもの。本展では自由に座って楽しめる椅子として展示します。山縣良和(日本、1980-)
ファッションブランド「writtenafterwards (リトゥンアフターワーズ)」を主宰。「装うこと」の意義や起源自体を問う作品で、ファッション業界のみならずカルチャーシーン全般で注目を浴びています。本展では最新コレクションを中心としたインスタレーションを展示します。高田安規子・政子(日本、1978-)
大きな建造物をチョークや糸巻きなど小さな日用品で表現したり、高価なガラスに施される切子細工を安価なゴムの吸盤に応用したり、尺度や固定概念をゆるがす作品で見る者を驚かせます。本展では旧朝香宮邸の中に、さらに「部屋」を増やすとのこと。アラヤー・ラートチャムルーンスック(タイ、1957-)
生と死、夢と現実など対極にあるものを映像作品の中で共存させるラートチャムルーンスックは、アジアのアーティストの中でも極めて重要な存在です。本展では、花柄の布をかけた身元不明の遺体たちに恋物語を歌いかける《タイ・メドレー》を紹介します。コア・ポア(イギリス、1987-)
絨毯の修復職人であったイラン系イギリス人の父を持ち、現在はLAを拠点とするポア。幼少時の記憶と結びつく絨毯にインスピレーションを得て、古代エジプトの壁画やアフリカの仮面など、異なる時代や文化圏のモチーフをリミックスし、実在しない世界観をひとつのキャンバス上に生み出します。アール・デコ建築と日本庭園が楽しめる東京都庭園美術館
東京都庭園美術館の本館は、国の重要文化財である旧朝香宮邸。アール・デコの精華を積極的に取り入れた設計をもとに、実際の建築では、日本古来の高度な職人技が随所に発揮されています(詳しくは増田彰久著「アール・デコの館 旧朝香宮邸」をご参照ください)。
個人的に、都内で一番好きな美術館。
華やかで上品な内装。ステンドグラスやランプといった、装飾品も目を引きます。「装飾は流転する」にふさわしい会場ですね。
建築と展覧会を観終わったあとは、紅葉の日本庭園をゆっくりと巡るのもおすすめ。最新の紅葉情報が知りたい方は、電話で問い合わせてみるといいですよ。
個人的に、都内で一番好きな美術館。
見どころ満載の展覧会は2018年2月25日(日)まで。ぜひ足をお運びください。
装飾は流転する 「今」と向きあう7つの方法
Decoration never dies, anyway
期間:
2017年11月18日(土)ー2018年2月25日(日)
会場:
東京都庭園美術館
東京都港区白金台5-21-9
10:00~18:00
第2・第4水曜定休、年末年始休業(12月27日(水)ー1月4日(木))
03-5777-8600(ハローダイヤル)
http://www.teien-art-museum.ne.jp/