みなさん、髪とアタシという本をご存知ですか?
2014年に美容師のための文藝誌として誕生した、新感覚のリトルプレスです。
とはいえ、これは美容師だけが読むにはもったいないくらい、とてもおもしろくて興味深い内容。
最新刊と併せてバックナンバーも入荷しましたので、ご紹介します。
好きを突き詰める、“オモシロキ”美容師を紹介する
「髪とアタシ」では、美容師の技術やサービスのノウハウなどは一切載っていません。
紹介されているのは、美容師のイメージからかけ離れた美容師や、美容・髪にまつわる読みもの。ヘアサロンには毎月のように行って、2時間以上いるのに、全然知らない美容の世界が広がっています。自分のこだわりを持っていて、美容以外にも好きなものがあったりする美容師や髪に関わる人たちの人柄に触れていると、自分の生き方や働き方のヒントが見えてきます。
紹介されているのは、美容師のイメージからかけ離れた美容師や、美容・髪にまつわる読みもの。ヘアサロンには毎月のように行って、2時間以上いるのに、全然知らない美容の世界が広がっています。自分のこだわりを持っていて、美容以外にも好きなものがあったりする美容師や髪に関わる人たちの人柄に触れていると、自分の生き方や働き方のヒントが見えてきます。
髪とアタシ 第2刊「拡張する美容師」
第2刊の特集テーマは「拡張する美容師」。
こちらに登場するのは、多くのアーティストやクリエイターが集う多目的スペースとしての機能も備える会員制ヘアサロンnagaseの代表・長瀬英貴や、編み込みでヘアスタイルをアートの領域にまで高めた西村英哲など。
西村さんは1回目の展示でも600人を集めたそう。ヘアサロンでの一対一のクローズドなイメージを払拭する、美容師たちのインタビュー。
また、月に10日間、茨城県から沖縄県の渡名喜島で美容室を開く福田隆俊も。施術はもちろんのこと、島民たちとのコミュニケーションの場として必要不可欠な、美容室の存在を改めて感じさせられます。場所やジャンルを広げる革新的な美容師たちは、髪の向こう側にある人の顔を見ている。
その他、「ミュージックマガジン」の表紙イラストや広告などで活躍するサイトウユウスケのインタビューも。イラストレーターや漫画家って、髪を描くときにこんなことを考えていたんですね。
こちらに登場するのは、多くのアーティストやクリエイターが集う多目的スペースとしての機能も備える会員制ヘアサロンnagaseの代表・長瀬英貴や、編み込みでヘアスタイルをアートの領域にまで高めた西村英哲など。
西村さんは1回目の展示でも600人を集めたそう。ヘアサロンでの一対一のクローズドなイメージを払拭する、美容師たちのインタビュー。
また、月に10日間、茨城県から沖縄県の渡名喜島で美容室を開く福田隆俊も。施術はもちろんのこと、島民たちとのコミュニケーションの場として必要不可欠な、美容室の存在を改めて感じさせられます。場所やジャンルを広げる革新的な美容師たちは、髪の向こう側にある人の顔を見ている。
その他、「ミュージックマガジン」の表紙イラストや広告などで活躍するサイトウユウスケのインタビューも。イラストレーターや漫画家って、髪を描くときにこんなことを考えていたんですね。
髪とアタシ 第3刊「考える髪」
第3刊のテーマは「考える髪」。髪のことを新たな視点で考える人々と、その考え方を紹介しています。
巻頭は冒険家・写真家の石川直樹。2014年に髪をテーマにした写真集、その名も「髪」を発表しました。ヒマラヤや北極を見つめてきた目で、どう髪を捉えたのかを語っています。
さらに、東真一郎の髪をテーマにした漫画「髪 Kamy」も掲載。何を隠そう、東真一郎とは水木しげるの別の筆名なんです。髪の妖怪と人の髪への欲求を描いた作品。結構怖い。
そして、90歳を超えても現役美容師の三上峰緒。今日の編み込みのパターンを作ってきた美容師界の草分け的存在が、編み込みで果たした役割とは。水引と編み込みを組み合わせることによって、単なるスタイルだけでなく、礼法も含めたデザインにしているというのだから脱帽です。
また、社会活動家のアサダワタルとともにヘアサロンという「場」の在り方を考えるトークショーのレポートも掲載されています。
「髪」の内容はこちらから。髪だけをずっと追い続けるだけで、少女の顔は一切見えない。その動きを見ていると髪そのものに意志があるようで、なんだか妖しさを覚えます。
巻頭は冒険家・写真家の石川直樹。2014年に髪をテーマにした写真集、その名も「髪」を発表しました。ヒマラヤや北極を見つめてきた目で、どう髪を捉えたのかを語っています。
さらに、東真一郎の髪をテーマにした漫画「髪 Kamy」も掲載。何を隠そう、東真一郎とは水木しげるの別の筆名なんです。髪の妖怪と人の髪への欲求を描いた作品。結構怖い。
そして、90歳を超えても現役美容師の三上峰緒。今日の編み込みのパターンを作ってきた美容師界の草分け的存在が、編み込みで果たした役割とは。水引と編み込みを組み合わせることによって、単なるスタイルだけでなく、礼法も含めたデザインにしているというのだから脱帽です。
また、社会活動家のアサダワタルとともにヘアサロンという「場」の在り方を考えるトークショーのレポートも掲載されています。
髪とアタシ 第4刊「Bad Hair」
第4刊は髪の視点でカルチャーを読み解く「Bad Hair」。
都内のストリートスナップを数多く発表する写真家・元田敬三による、1990年代から今日までのバッドボーイズたちの写真を掲載。自分のスタイルを表現するのに、髪は欠かせませんもんね。
突っ張ることが男の、たったひとつの勲章。
また、1970〜80年代の原宿で竹の子族たちのヘアスタイルを多く手がけたのは、七三分けがキマッている鈴木利昭。「バブル最盛期でファッションにお金をかけることができた時代だった」と振り返ります。若者たちのファッションへの意識が高まった時代だったんですね。
「マンガは『バッドスタイル』をどのように表現してきたか?」では、漫画におけるバッドボーイズたちのヘアスタイルの描かれ方を検証。まず、ヤンキー漫画がこんなにあることにびっくりだし、リーゼントにもいろいろ作り方があることも初めて知りました。ポンパドールやアイパー、剃り込みなどなど、同じリーゼントでも人の性格によってちょっとした違いが出ているようです。奥が深い。
ノストスブックスには意外とリーゼントの写真集が豊富。真ん中にトサカのように集めるリーゼントはクイッフ。後ろの流れを美しく強調するのはダックテイル。だそうな。髪に命と時間をかけた男たちの記録。
都内のストリートスナップを数多く発表する写真家・元田敬三による、1990年代から今日までのバッドボーイズたちの写真を掲載。自分のスタイルを表現するのに、髪は欠かせませんもんね。
突っ張ることが男の、たったひとつの勲章。
また、1970〜80年代の原宿で竹の子族たちのヘアスタイルを多く手がけたのは、七三分けがキマッている鈴木利昭。「バブル最盛期でファッションにお金をかけることができた時代だった」と振り返ります。若者たちのファッションへの意識が高まった時代だったんですね。
「マンガは『バッドスタイル』をどのように表現してきたか?」では、漫画におけるバッドボーイズたちのヘアスタイルの描かれ方を検証。まず、ヤンキー漫画がこんなにあることにびっくりだし、リーゼントにもいろいろ作り方があることも初めて知りました。ポンパドールやアイパー、剃り込みなどなど、同じリーゼントでも人の性格によってちょっとした違いが出ているようです。奥が深い。
髪とアタシ 第5刊「音楽と髪」
お待ちかねの最新刊の特集は、「音楽と髪」。
巻頭では人気ロックバンド・クリープハイプの尾崎世界観にインタビュー。髪にまつわる思い出から、自身の性格に対する分析がするすると引き出されていきます。写真はエッセイ「かなわない」「家族最後の日」でも知られる植本一子。
「あの人の髪の毛、誰が切ってるんだろう」では、憧れのアーティストのヘアスタイルに隠された秘密を、アーティスト本人と担当美容師の対談から紐解きます。つるりとしたマッシュが印象的な高橋海(Lucky Tapes)、“前髪切りすぎた” 三戸なつめなど、あのヘアスタイルの誕生秘話を知りたい方も多いのでは?それぞれの音楽とリンクしたヘアスタイルが、美容師の手によって作られていることがわかります。
一番の衝撃は、アフロヘアのユザーンが実は直毛だったこと(!)。
「最近のロックアーティストやバンドマンの髪型はつまらない。」髪とロックの関係について、MUSICAでお馴染みの鹿野淳も語ります。確かに、ビートルズだって、セックス・ピストルズだってあんなに印象的な髪型をしてるのに……。でも、そこにロックの本質が見えると分析する氏の言葉に、大きく頷いてしまいます。
髪が特徴的なミュージシャンといえば、BO NINGENも外せません。彼らの長い長いロングヘアは、日常ではとても穏やかで、ステージ上ではサイケデリックに振り乱れます。
巻頭では人気ロックバンド・クリープハイプの尾崎世界観にインタビュー。髪にまつわる思い出から、自身の性格に対する分析がするすると引き出されていきます。写真はエッセイ「かなわない」「家族最後の日」でも知られる植本一子。
「あの人の髪の毛、誰が切ってるんだろう」では、憧れのアーティストのヘアスタイルに隠された秘密を、アーティスト本人と担当美容師の対談から紐解きます。つるりとしたマッシュが印象的な高橋海(Lucky Tapes)、“前髪切りすぎた” 三戸なつめなど、あのヘアスタイルの誕生秘話を知りたい方も多いのでは?それぞれの音楽とリンクしたヘアスタイルが、美容師の手によって作られていることがわかります。
一番の衝撃は、アフロヘアのユザーンが実は直毛だったこと(!)。
「最近のロックアーティストやバンドマンの髪型はつまらない。」髪とロックの関係について、MUSICAでお馴染みの鹿野淳も語ります。確かに、ビートルズだって、セックス・ピストルズだってあんなに印象的な髪型をしてるのに……。でも、そこにロックの本質が見えると分析する氏の言葉に、大きく頷いてしまいます。
リトルプレスのなかでも、こんなに企画が面白くて、イラストレーションも素敵な本はなかなかありません。ZINEを作ってみたい方のエディトリアルの参考にもぜひ。