表紙のイラストレーションは村上慧、そして表紙デザインを手がけたのは平野甲賀。
2015年、パトリック・ツァイは突如東京での仕事を辞め、小豆島へ移住しました。引っ越して5日目、ツァイは浜辺で1匹のトイプードルと出会います。
怪我をして真冬の寒さに震えるその犬を、自宅へ連れて帰ることにしたツァイ。そうして1人と1匹の共同生活と、島の人々との交流が始まりました。
日々の中に転がっている、奇跡のような偶然が愛おしい。赤いニット帽と紺色のベストが、スクリーンに映っている「魔女の宅急便」のキキとそっくり。
だんだん距離を縮めていく、ツァイと島の人々。
不思議。ツァイが切り撮った風景にはどれも懐かしさを覚えると同時に、この島のあたたかな未来まで見えてくるよう。
島で暮らす、元気いっぱいの子供たち。のびのびしていいなぁ。
季節は流れて夏へ。小豆島では、豊かな自然が季節の移ろいを教えてくれるんですね。
犬と暮らしながら、島のことを一つ、また一つと知っていく日々。
目に映る新しい景色にワクワクしたりドキドキしたり。毎日がちょっとした冒険。
島の人たちの中に溶け込んで、だんだん島での暮らしに馴染んでいく犬の姿に、不思議とツァイ自身の姿が重なって見えてきます。
海外から日本へ活動の場を移し、さらに都会から自然豊かな離島へと移り住んだツァイ。同じ日本とはいえ、目に入ってきた風景は全く違うものだったでしょう。何気ない日々の中に転がる、小さな奇跡を拾い集めたようなフォトダイアリーです。