『memorandum』の発刊を目指して行われた、クラウドファンディング
今回『memorandum』の発刊にあたり、須山さんとHIROI Publishing(ヒロイ・パブリッシング)によるクラウドファンディングが行われました。2018年8月6日、100万円をゴールに設定してはじまったプロジェクトは、たった17日間ですでに100%を達成。新たに150万円をストレッチゴールとして迎えた最終日の9月20日、総パトロン数は225人、支援金額は173万円にものぼりました。
支援金額や達成までの速さはもちろんすばらしいのですが、それよりも、支援者のみなさんのあたたかさが日を重ねる毎にどんどん広がっていくようで。須山さんや安永さん、そしてこれまでつくられてきた作品がどれほど沢山の方に愛されているのかが伝わってきたプロジェクトでした。
2019年の7月、作品は支援者の手元へ。
リターンとして届いたポストカードの裏には須山さんのメッセージが。じんわり。
初めての、長編コミックへの挑戦
実は当初、2018年11月の作品完成を予定していたこの発刊プロジェクト。完成に至るまで、たくさんの葛藤があったといいます。展示開催にあたり見せていただいたのは、同じシーンを何度も何度も書き直した原稿。きっともっとよくなる、もっとよくできるはずと、自分自身と向き合い続けた須山さんの様子が伝わってきます。
進んでは、戻ってを繰り返したストーリー。やっと中盤までさしかかって、一から書き直されたキャラクターたち。
初めての長編コミックへの挑戦は、これまで記録として書き留めていたものを、物語としてつなげていく難しさがあったといいます。そうして出来上がった作品は、須山さんの作家としての在り方をまっすぐ伝えているようだとも感じるのです。
須山奈津希さんと安永哲郎さんだからつくれたもの
『all that is beautiful』、『monochrome』、そして『memorandum』の3部作は、安永哲郎さんとともに制作されました。須山さんが描く漫画のストーリーと安永さんの綴るテキストは直接は繋がっていないものの、2人の世界観が優しく溶け合い、それぞれの魅力を引き立てながらひとつの作品を形作っています。後から制作中のお話を少しうかがって、びっくり。なんとお2人は、作品が完成するまで、ほとんどすり合わせをしないといいます。「これはもっと詳しく聞かなくては...!」というのが、今回トークイベントを開催するきっかけになりました。
2人が普段どんな風に作品をつくり上げ、そしてお互いをどんな風に見ていたのか。
トークイベントでは、クラウドファンディングについてや、そんな制作中のエピソードなどをお話いただきます。須山さん、安永さんそれぞれによる、2つのmemorandumが見えてきそうです。どうぞ、お楽しみに。
須山奈津希×安永哲郎トークイベント
概要:
「all that is beautiful」「monochrome」「memorandum」の3部作を共作された須山奈津希さんと安永哲郎さんのトークイベントを開催いたします。
「memorandum」発刊プロジェクトとして行われたクラウドファンディングの過程や、お2人の作品制作方法、そして初となる長編コミックへの挑戦についてなど、お話しいただきます。
開催日時:
2019年12月15日(日) 18:30-20:00
参加費:
チケット:1,000円(税別)
『memorandum』付きチケット:4,000円(税別)
当日、受付時にお支払いください。
会場:
nostos books
東京都世田谷区世田谷4-2-12
12:00~19:00 水曜定休
03-5799-7982
https://nostos.jp