宮沢賢治作・塩川いづみ絵『春と修羅』発売記念原画展&トークショー
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宮沢賢治作・塩川いづみ絵『春と修羅』発売記念原画展&トークショー

2019年最初の展示のお知らせです。2月9日(土)〜2月24日(日)の期間、イラストレーター・塩川いづみさんが宮沢賢治の詩にドローイングを描きおろした詩画集『春と修羅』の出版を記念し、原画展とトークショーを開催いたします。



塩川いづみさんと宮沢賢治

塩川いづみさんは、東京を拠点に活動するイラストレーター。PILOTや無印良品の広告、一保堂茶舗やCLASKAのプロダクト、そして雑誌・書籍の挿絵などを手がけながら、作品の発表も行なっています。


塩川さんの描く線と、余白とのバランスがとても好きなんです。柔らかさの中にほんの少しの鋭さが宿っていて、余白に漂う線の余韻や、塗りつぶしの濃淡が生み出す面影も味わい深いものがある。以前から一方的に好きで、作品や仕事を目にするたび見惚れていました。

そんな塩川さんが宮沢賢治の詩作品である「春と修羅」に描き下ろしのドローイングを添えた『春と修羅』をtorch press(トーチプレス)から発売。これが本当に良い本で、ぜひご一緒できないかとお願いしました。

宮沢賢治作・塩川いづみ絵『春と修羅』 宮沢賢治といえばみなさまご存知、岩手県の花巻に生まれた近代日本を代表する詩人・童話作家です。代表作には「銀河鉄道の夜」、「セロ弾きのゴーシュ」、「グスコーブドリの伝記」などがありますが、生前に刊行されたのは「心象スケッチ 春と修羅」と「注文の多い料理店」のみ。

余談ですが「心象スケッチ 春と修羅」は自費出版で発売され、当時にしては高価だったため広く普及はしませんでした。しかし、同時代の詩人や作家たちの間では衝撃が走ったと言われており、今では日本の近代文学において重要な作品の一つとなっています(実は映画「シン・ゴジラ」の冒頭にも意味深に登場するのです……)。

壮大なスケールで幻想的に綴られる宮沢作品は、読む者に考える余白と想像力を与えます。『春と修羅』は、塩川さんが氏の言葉から浮かべた心象(イメージ)をドローイングし、テキストも自ら手描きすることで、相互の世界観が深く繋がり合う作品に仕上がりました。絵と言葉の余韻を大切にしながら、まるで直筆のように鉛筆の質感や濃淡もていねいに写し取った、ブルーメタルインクの素晴らしい造本にもぜひご注目ください。

宮沢賢治作・塩川いづみ絵『春と修羅』 宮沢賢治作・塩川いづみ絵『春と修羅』

絵と本で感じる宮沢賢治の世界。トークショーも開催

期間中は、塩川さんが描き下ろしたドローイングの原画を展示販売するとともに、宮沢賢治の著作や関連書籍を店頭とオンラインストアで展開します。

宮沢賢治 作・塩川いづみ 絵『春と修羅』発売記念原画展 また、2月11日(月祝)には塩川さんとアーティストの小林エリカさんをお迎えし、宮沢作品の一部朗読やテーマごとにお話を伺います。宮沢賢治が学んでいたというエスペラント(※)にも造詣が深い小林さん。絵と言葉、2つの表現でそれぞれどのように宮沢賢治の世界を感じ取ったのかなど、一歩踏み込んだお話を聞けそうです。

(※)エスペラント……母語の異なる人々の間での意思伝達を目的に、ルドヴィコ・ザメンホフらが考案・整備した人工言語。国際補助語の中で最も世界的に認知され、普及の成果を収めた言語となっている。

さらに山フーズによる宮沢賢治の世界をイメージしたお菓子も数量限定で販売いたしますのでどうぞお楽しみに。

さまざまな作家とコラボレーションして、そのたびに新たな世界が生まれるのも宮沢賢治の魅力の一つ。本展では塩川さんの作品を味わっていただくとともに、新たな宮沢賢治の世界を感じていただければ幸いです。

宮沢賢治 作・塩川いづみ 絵『春と修羅』発売記念原画展


期間:
2019年2月9日(土)ー2月24日(日)

作家プロフィール:

塩川いづみ プロフィール画像 塩川いづみ(しおかわいづみ)
イラストレーター。1980年長野県生まれ。多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業。広告、雑誌、プロダクトなどを中心に活動するほか、作品の展示発表も行う。主な仕事にCLASKA shop&gallery “DO”のオリジナル商品「SWAY」「MAMBO」、きものやまと「DOUBLEMAISON」のイラストレーションなどがある。
http://shiokawaizumi.com/

新刊書籍:
『春と修羅』
宮沢賢治 作/塩川いづみ 絵
torch press
1,620円(税込)

関連イベント:
「朗読会+トークショー」
2019年2月11日(月祝)
18:00〜19:30
出演 塩川いづみ、小林エリカ
本付チケット 3,500円(税込)/チケットのみ 2,000円(税込)
定員に達したため予約の受付を終了しました。

小林エリカ プロフィール画像 小林エリカ
作家、マンガ家。著書は小説「マダム・キュリーと朝食を」(第27回三島賞第151回芥川賞ノミネート)(集英社)短編小説集「彼女は鏡の中を覗きこむ」(集英社)、放射能の科学史を辿るコミック「光の子ども1.2」(共にリトルモア)、父とアンネ・フランクの日記をモチーフにしたノンフィクション「親愛なるキティーたちへ」、作品集「忘れられないの」(青土社)などがある。訳書は「アンネのこと、すべて」(アンネ・フランク・ハウス編、日本語訳監修石岡史子)(ポプラ社)。
http://www.erikakobayashi.com/

出店:

山フーズ 小桧山聡子 プロフィール写真 山フーズ(小桧山聡子)
1980年東京生まれ。多摩美術大学卒業。“素材としての勢い、料理としての勢い、美味しさ” を大切にしながら、“食べる”ことをカラダ全部で体感できるような仕掛けのある食の提案や、さまざまな表現・感覚と食を繋げる試みなど、独自の視点で「食とそのまわり」の制作を行っている。企業、美術館、ファッション・アート関連のレセプションなどで空間演出も含めたケータリングを多数手がけるほか、食を用いた広告撮影、イベント企画、ワークショップ、商品開発、レシピ提供、執筆、講師など既存の枠を越え多岐に渡って活動。2018年山形ビエンナーレでは作家として参加し、食を用いた作品を制作。 https://twitter.com/yama_foods

会場:
nostos books
東京都世田谷区世田谷4-2-12
12:00~19:00 水曜定休
03-5799-7982
https://nostos.jp



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1990年4月22日午年、金沢出身。ギリ平成生まれのデジタルネイティブ、nostos booksを拠点にしながらカレーを作り続けるフリーランス編集者。実は理工学系。2019年2月退社。